施肥灌水技術
施肥灌水技術 (植物の栄養)

21世紀の農業は、限られた耕地で作物生産を維持・拡大していかなければなりません。また、人が健全な社会生活をおくる上で、食に対しての”安全”は最も重用視される課題です。養液栽培はこれらの条件を満たす未来型作物生産技術のひとつであり、今後さらなる普及拡大が期待されています。
OATアグリオ株式会社は1963年に”大塚礫耕栽培用肥料”を発売しました。現在は”OATハウス肥料シリーズ”をラインナップし、約半世紀にわたり養液栽培肥料のパイオニアとして、会報誌「れきこう」を発行するなど養液栽培技術の普及に注力してまいりました。

養液栽培専門肥料 OAT ハウス肥料シリーズ

養液栽培専門肥料 OAT ハウス肥料シリーズ
養液土耕栽培システム

養液土耕栽培は、土の持っている良さを活用し、作物の生育に合わせて作物が必要とする成分を必要な時に必要な量だけ灌水施肥する栽活法です。
一方慣行栽培は、作物を栽培する上で1作を通して必要な施肥量を基肥と追肥に分けて施用する方法が一般的です。定植直後で肥料をさほど必要としない生育ステージでも根圏には豊富な栄養分が存在し、そのため、生育のコントロールが難しく、いわゆる農家の経験が重要となってきます。それに対し、養液土耕栽培では、作物の生育に応じて、栄養分と水分のコントロールが可能となり作物にストレスがかかりにくく、結果として、収量増や品質向上などの成果が得られやすくなります。
養液土耕栽培は、水耕栽培の管理とよく似ていますが、水耕栽培の場合は根が水に溶けた栄養分(肥料)を直接吸収するのに対し、養液土耕栽培は根と栄養分の聞に土が存在します。このことは、本来、土の持つ良さ、すなわち、栄養分を保持したり、緩衝作用であったり、さまざまな効能を利用できる有利な面があるということです。
人を育てるのと同様に、母乳(ミルク)から離乳食ヘ切り替えて、やがては成人食になっていくように作物の定植から生育最盛期、生育後期とステージの変化に合わせて、栄養分と水分を与えることが重要です。
これは水耕栽培で実証されている通りですが、慣行栽培では省力という観点から実際は困難な場合が多いです。
養液土耕栽培は、土の持つ良さを活かしながら、水耕栽培の管理に近い栽培方法であり、具体的には栽培システムを用いて作物が必要とする時期に必要な分量の栄養と水を与えていくことになります。
当社クループは、施設園芸農家向けに養液土耕栽培システムと肥科の販売を行っております。養液土耕栽培システムとは作物にとって必要なときに必要な分量の作物の生育ステージにあわせて水と肥料の正確な施用を自動化することで、農業従事者の間口を広げるとともに、農作物の収穫量向上に貢献します。
現在、全国で約2,800軒の農家に導入されており、農家の労力軽減、環境負荷の低減、作物の品質や収穫量向上などの目的で使用されています。導入されている作物は、トマト・いちご・きゅうり・ピーマン・ブドウ・カーネーションなど多岐にわたっております。

 

養液土耕栽培と慣行栽培の比較
肥料製品の提供

当社が製造販売している肥料、『OATハウス肥料シリーズ』、『OK-Fシリーズ』、『タンクミックスシリーズ』、『養液土耕肥料シリーズ』、『亜りん酸肥料』などは、施設園芸向けに、即効性や吸収性に優れた特徴を有しています。水耕栽培用肥料『OATハウス肥料シリーズ』は水耕栽培分野ではトップシェアを維持しており、近年では大規模植物工場から家庭用のキットまで幅広く使用されています。また隔離栽培専用肥料の『タンクミックスシリーズ』及び『亜りん酸肥料』などの新製品が好評を得ています。
今後、液体肥料開発に強みをもつ当社の特徴を活かしながら、顧客の立場にたった新製品や用途開発、現有製品の改良などを行い、さらなる展開を進めていきます。

肥料製品の提供